薬鍼堂に来られた時のE.Oさん(大阪府大阪市・35歳)の第一声が今でも忘れられません。
「先生、私もう疲れました。赤ちゃんのことを考えるだけでつらいんです」
不妊治療を始めて2年。タイミング法から人工授精、そして体外受精へとステップアップし、採卵も移植も2回ずつ経験。それでも結果は出なかった。
不妊治療クリニックでは原因不明と言われている。卵管も通っている。ホルモン値も基準内。精液検査も問題ない。どこも悪くないのになぜできないんですかと聞いても先生はもう一回やってみましょうとしか言わない。
そんな中で一度治療を休んで、体を立て直してから再挑戦したいと考え、漢方を選んでくれたのがE.Oさんでした。
原因不明不妊のつらさ
不妊の原因がはっきりしているケースなら少なくともここを治せばいいという道筋が見えます。でも妊活で一番つらいのはどこも悪くないのにと言われることかもしれません。
E.Oさんもそうでした。検査で異常が出ないから対策の立てようがない。クリニックでは体外受精を繰り返せば確率は上がりますと言われるけど、1回の採卵で体への負担も費用も大きい。そしてまた陰性。
何が足りないのかが分からないまま、もう一回を繰り返す日々。
これは機能性ディスペプシアやコロナ後遺症の方が検査で異常なしと言われて行き場を失うのと実はよく似た構造です。西洋医学の検査では数値化できない体の力の問題がそこにはあります。
初診で見えた妊娠しにくい体質の正体
E.Oさんの話をじっくり聞いていくと、検査には出ないけれど東洋医学的には明確なつまずきがいくつも見えてきました。
まず、手足が氷のように冷たい。 真夏でも靴下を重ね履きしていて、お腹はいつも下腹部だけ冷たい。子宮は血流が豊かでないと着床環境が整いません。この冷えだけでも胚が育ちにくい理由としては十分です。
次に、生理の状態。 周期は28〜35日でややバラつきがあり、経血は少なめで色が暗い。生理痛はそこまでひどくないが始まる前に茶色いおりものが2〜3日続く。漢方ではこうした生理の質から子宮と卵巣の状態を読み取ります。
そして何より気になったのが表情の疲労感でした。目の下のくまが濃く、肌に艶がない。よく聞くと不妊治療を始めてから眠りが浅くなり、食事も栄養バランスを考えないとというプレッシャーで逆に食べるのがストレスになっている。夫との関係も治療の話題になるとぎくしゃくするようになったとのこと。
東洋医学的に見ると腎虚+血虚+肝気鬱結という状態でした。
簡単に言えば妊娠するための体の土台が枯渇している上に、ストレスで気の巡りが滞り、子宮への血流がさらに悪くなっている。 ホルモン値は基準内でも、体の中のめぐりがうまくいっていない。
原因不明ではなく、検査には映らない原因がある。これが漢方から見たE.Oさんの状態でした。
妊活を一度やめるという勇気
E.Oさんに提案したのは、まず3〜4ヶ月、体外受精はお休みして漢方で体を立て直しましょうということでした。
正直、35歳という年齢を考えるとお休みの提案には迷いもありました。年齢とともに卵子の質は下がると言われている以上、1ヶ月でも早く移植したいという気持ちは分かります。
でも、今の体の状態で4回目の移植をしても、3回目と同じ結果になる可能性が高い。 それなら一度立ち止まって体を整えてから臨む方が、結果として近道になるのではないか。
E.Oさんも、もう一回失敗したら立ち直れない気がすると話されていて、休むという選択が実は心の余白を取り戻すためにも必要だったと思います。
漢方治療の経過
1ヶ月目:まず、眠れるようになった
最初に変わったのは睡眠でした。久しぶりに朝まで目が覚めなかったと少し驚いたように話してくれました。
不妊治療中はホルモン注射の影響もあって自律神経が乱れている方が多いのですが、E.Oさんの場合は治療を休んだこと自体の安心感も重なって、緊張がゆるんだのだと思います。食事のプレッシャーからも少し解放されたようで、美味しいと思って食べられるようになったとのこと。
冷えはまだ強いが足先の冷えだけは少しマシになりました。
2ヶ月目:生理に変化が出始めた
2回目の生理で変化が出ました。生理前の茶色いおりものが1日に短縮され、経血の色が少し明るくなった。 漢方を始めてから一番分かりやすい変化で、E.Oさんも生理ってこんなにすぐ変わるんですか?と驚いていました。
生理の質が変わるということは子宮の血流が改善し始めている証拠です。ここが変わってくると着床環境も変わってきます。
肌の艶も出てきて同僚に最近調子いいの?と聞かれたとのこと。
3ヶ月目:冷えが和らぎ、体が変わった実感
下腹部の冷たさが改善しているとのこと。お風呂上がりに足が冷えるまでの時間が長くなった。生姜湯がなくても大丈夫になった。
この頃からE.Oさんの表情にも変化がありました。初診の時はずっとうつむきがちだったのが笑顔が増えてきた。夫との関係も、治療の話を自然にできるようになったとのこと。
基礎体温表を見ると低温期と高温期の差がはっきりしてきていて、排卵のリズムも安定してきた。そろそろ移植してもいい体になってきていますねとお伝えしました。
4ヶ月目:体外受精を再開
E.Oさんはクリニックに戻り、3回目の採卵に挑みました。漢方は継続しながらの採卵です。
結果、以前より卵子の質が良いとクリニックの先生に言われたとのこと。前回と全然違うと嬉しそうに報告してくれました。
5ヶ月目:移植
凍結胚を移植。
移植後のE.Oさんは不思議と焦りがないと話していました。以前の移植では判定日まで毎日ソワソワして眠れなかったのに、今回はやることはやったという穏やかな気持ちでいられたと。
判定日、陽性。
電話口で泣いていたE.Oさんの声を今でも覚えています。
その後
妊娠初期は漢方を安胎(流産予防)のための薬方に切り替え、つわりの緩和にも対応しました。安定期に入った時点で漢方は終了し、無事に出産されたと後日ご連絡をいただきました。
費用について
不妊治療×漢方の費用目安です。
| 1週間あたり | 1日あたり | 1ヶ月あたりの目安 | |
|---|---|---|---|
| 基本となる1薬方の場合 | 4,200円〜4,900円前後 | 約600円〜700円 | 約18,000円〜21,000円 |
| 複数の薬方や補助剤を使用する場合 | 5,000円〜7,000円前後 | 約710円〜1,000円 | 約21,000円〜30,000円 |
体外受精1回の費用(30〜50万円)と比べると、漢方で体質を整えてから臨むことで移植回数を減らせる可能性があるという考え方もできます。
漢方相談は無料です。費用感に不安がある方はまずご相談だけでも。
→ よくある質問 | 無料相談の理由
患者さんからのメッセージ

漢方を飲んでいるうちに眠れるようになって、生理が変わって、冷えが取れて、私の体って変われるんだって実感できました。
陽性を見た時の気持ちは言葉にできません。嬉しいというより、ほっとしました。やっと終わったって。
今思うのは、あのまま休まずに3回目の移植をしていたら、たぶんまたダメだったということ。体を整える時間を取ったことが結局一番の近道だったんだと思います。
不妊治療中の方に知っておいてほしいこと
漢方は不妊治療の代わりではありません
薬鍼堂は不妊治療クリニックの代替ではなく、併走するパートナーです。タイミング法の段階でも、人工授精でも、体外受精でも、漢方で体の土台を整えることは常にプラスに働きます。
もちろん、E.Oさんのように一度お休みして体を立て直すという選択もあります。でもそれは治療をやめるのではなく、治療の成功率を上げるための準備期間です。
男性側の体質改善も大切です
不妊は女性だけの問題ではありません。精液検査で基準内でも漢方的に見ると精力の低下や疲労の蓄積が見えることがあります。ご夫婦でのご相談も歓迎しています。
年齢に必要以上に追い詰められないで
年齢は確かに重要な要素ですが、体の状態が整っていれば年齢だけで結果は決まりません。 逆に、若くても体が消耗していれば結果は出にくい。大事なのは今の体をできる限りいい状態にすることです。
よくあるご質問
- Q不妊治療クリニックに通いながら漢方を飲んでも大丈夫ですか?
- A
はい、ほとんどの場合併用できます。ホルモン注射や排卵誘発剤との相互作用も考慮しますので現在の治療内容を詳しく教えてください。
→ 他のお薬との併用について
- Q夫婦で相談したいのですが。
- A
大歓迎です。ご夫婦の体質をそれぞれ見立てた上で、お二人に合わせた薬方をご提案します。
- Q妊娠したら漢方はやめる必要がありますか?
- A
安胎(流産予防)用の薬方に切り替えます。つわりの緩和にも漢方は有効です。
- Q何ヶ月くらいで変化がありますか?
- A
生理の質の変化は1〜2ヶ月で感じる方が多いです。体が変わったという全体的な実感は3ヶ月程度。妊娠という結果までの期間は個人差が大きいですが、半年を一つの目安としています。
- Q遠方でも対応できますか?
- A
電話・LINE・オンラインでの相談に対応しています。漢方薬は代引きで全国に発送しています。
→ メールでの漢方相談
赤ちゃんが来てくれる体を一緒に作りませんか
不妊治療に疲れた方。何度挑戦しても結果が出ない方。原因不明と言われて途方に暮れている方。
まだ試していないことが一つあります。
それはあなた自身の体の力を取り戻すこと。検査の数値ではなく、体の冷え、生理の質、眠りの深さ、食事の美味しさ。そういう日常の中に隠れている妊娠力を漢方で底上げしていく。
薬鍼堂は15年以上にわたり不妊のお悩みに漢方で寄り添ってきました。相談料は無料です。