関節リウマチの全体像や体質タイプ別の漢方の選び方を知りたい方は関節リウマチの漢方相談|体質タイプ別の解説ページもあわせてご覧ください。
こんなお悩みを抱えていませんか?
- 膝や手首が痛くて朝は特に動かしにくい
- 温めると楽になるのに時期によっては腫れて熱を持つ
- 雨の日や寒い日に決まって悪化する
- 痛みで体を動かさなくなり筋力が落ちてきた
- 薬は続けているがこの先どうなるのか不安
今回は関節リウマチで膝と手のこわばりに悩まれていた50代女性が漢方を1年半続けて痛む関節が一つずつ減っていった経過をご紹介します。長く付き合う病気だからこそ、途中の波も含めてそのまま記録しました。
ご相談時の状態
50代の女性。関節リウマチの診断を受けておりご相談を始めた時点では上半身の痛みが強い状態でした。
- 膝の痛み。特に右膝が強い
- 朝起きたときの両手のこわばり
- 手首と指の痛み
- 体が火照ると出てくる皮膚のかゆみ
痛みの出方には決まった特徴がありました。温めると楽になり、寒い日と雨の日に悪化するという点です。一方で時期によっては右膝が腫れて熱を持つこともあり、正反対の状態が入れ替わりながら現れていました。
膝には少しずつ変形も出はじめており、痛みで動かさない期間が続いたことで筋力の低下も進んでいる状態でした。
東洋医学的な見立てと体質の判断
関節リウマチの痛みを漢方では関節そのものだけの問題とは考えません。体の中の余分な水分や冷え、こもった熱がどこに滞っているかで、痛みの出方が変わってきます。
温めると楽になる寒湿の痛み
冷えと余分な水分が結びついて関節に滞っている状態を寒湿と呼びます。温めると楽になる、寒い日や雨の日に悪化するという特徴は、この寒湿の典型です。この患者さんの痛みの土台はここにありました。
時期によって熱を持つ関節
一方で右膝が腫れて熱を持つ時期がありました。これは寒湿とは逆に、こもった熱が関節に向かっている湿熱の状態です。同じ患者さんでも季節や体調によってどちらが前に出るかが変わります。一つの薬方を決め打ちで続けるのではなく、その時々の関節の状態に合わせて組み替える必要がありました。
筋力の低下という背景
痛みがあると関節を動かさなくなり支える筋肉が落ちます。筋力が落ちると関節にかかる負担が増えてまた痛みが出ます。この悪循環を断つことも薬方と並ぶもう一つの課題でした。
ご提案した漢方の方向性
薬方の柱は次の3つです。
- 滞った余分な水分をさばいて、関節の腫れを引かせる
- 冷えて痛む時期は温めて巡らせ、熱を持つ時期は冷ます
- 血を補って、関節を養う力を立て直す
途中で一つ問題が起きました。麻黄を含む薬方を続けたところ、胃に負担が出たのです。関節の炎症には有効でしたが、この患者さんの胃腸には強すぎました。そこで飲むタイミングを食後に変え、それでも負担が残る時期は麻黄を含まない構成に組み替えています。効く薬方がその方に合う薬方とは限りません。
治療経過
3ヶ月後|上半身の痛みが先に軽くなる
まず手首と指、肩まわりの痛みが和らいできました。膝の痛みは残ったままです。この時期は体の火照りとそれに伴う皮膚のかゆみが出てきたため、熱をさばく方向を強めています。
8ヶ月後|膝が中心になり、良い日が増える
痛みの中心が膝に絞られてきました。温めると楽になる日が多く、雨の日と寒い日に悪化する波は残っています。それでも良くなっていると話される日が増えてきました。女性ホルモンの注射を受けた直後に膝の痛みが強まる時期があり、ホルモンの変動も痛みに関わっていることが確認できました。
1年後|右膝の腫れで一時的に戻る
右膝が腫れて熱を持つ状態が出て痛みが強まりました。ここで熱をさばく方向へ大きく組み替えています。同じ時期に麻黄で胃に負担が出たため、構成の調整にも時間がかかりました。長く続ける治療ではこうした戻りが起こることがあります。戻ったときに何が起きているかを見立て直せるかどうかが分かれ目になります。
1年半後|痛まない関節が増える
手首の痛みが消え、左膝も痛まなくなりました。残っているのは右膝を伸ばすときの痛みです。座った状態では伸ばしにくいものの、立った状態では伸ばせるところまで戻っています。痛みがゼロになったのではなく、痛む関節が一つずつ減っていったという変化です。
現在は筋力トレーニングとストレッチを続けながらさらに痛みを取っていってます。
患者さんの声

痛みは一生ものだと言われてあきらめる気持ちが強かったです。
すぐに全部が良くなったわけではありませんが痛くない関節が増えていくのが分かりました。
今は筋トレを続けられるようになって動くことが怖くなくなりました。
ご本人が取り組まれたこと
薬方だけでは筋力は戻りません。この患者さんがご自身で続けられたことが後半の変化を支えました。
- 筋力トレーニングを習慣にする。痛みのない範囲から始めて少しずつ増やす
- お風呂上がりに膝を伸ばすストレッチをする。温まっているときが最も伸ばしやすい
- 座った状態で足を上げる運動を続ける
- たんぱく質を意識して摂る
特に効果が大きかったのは、温まっているときにストレッチをするという点です。冷えて硬くなった状態で無理に伸ばすとかえって痛めます。お風呂上がりという時間を決めたことで習慣になりました。
よくあるご質問
- Q関節リウマチは漢方でどれくらいの期間で変化を感じますか?
- A
この患者さんは3ヶ月目に手首や指など上半身の痛みが和らぎ、8ヶ月目に痛みの中心が膝だけに絞られました。手首と左膝の痛みが消えるまでには1年半かかっています。早い方は1〜2ヶ月で朝のこわばりの変化を感じられますが、関節の状態が落ち着くまでは長めの期間で考えていただくほうが現実的です。
- Q温めると楽になる痛みと、腫れて熱を持つ痛みは同じ薬方でよいのですか?
- A
分けて考えます。冷えて痛む寒湿には温めながら水をさばき、腫れて熱を持つ湿熱には熱を冷まします。この患者さんは季節と体調で両方が入れ替わったため、その時々の関節の状態を見て組み替えました。
- Qメトトレキサートや生物学的製剤と併用できますか?
- A
併用いただけます。これらのお薬は免疫の過剰な働きを抑えて関節の破壊を防ぐもので、漢方は痛みが出やすい体の状態そのものを整えていきます。目的が違うため併用しながら進められます。お薬を減らす場合は必ず主治医とご相談ください。
- Q筋力トレーニングはしたほうがよいですか?
- A
痛みのない範囲であれば取り組んでいただく価値があります。関節を支える筋肉が落ちると負担が増えて痛みが出やすくなるためです。この患者さんはお風呂上がりのストレッチと座って足を上げる運動から始め、後半は筋力トレーニングを続けられるまでになりました。
- Q費用はどれくらいかかりますか?
- A
体質により異なりますが、1週間あたり4,200円〜7,000円前後が目安です。相談料はいただいておりません。回復に伴って薬方を減らしていくため、費用も段階的に下がっていきます。続けられるご予算内でのご提案もしておりますので、遠慮なくご相談ください。
同じ悩みを持つ方へ
関節リウマチは治療期間が長くなりやすい病気です。今回の患者さんもまだ痛みが完全にゼロになったわけではなく、右膝には痛みが残っています。
それでも波の高さが下がり、出ても戻るまでが早くなることで日常のつらさは大きく変わります。すぐに消えることだけを目標にするより繰り返す間隔と程度を変えていくことがまずは優先で、結果として長く楽に過ごせるようになります。
お一人おひとり体質が異なるため必ずご相談の上で漢方をお選びください。兵庫県伊丹市と大阪府豊中市の店頭のほか、お電話やLINE、オンラインで全国からのご相談に対応しています。