POTS(体位性頻脈症候群)の全体像や、気虚・水滞・瘀血といった体質タイプ別の漢方の選び方を知りたい方はPOTS(体位性頻脈症候群)の漢方相談|体質タイプ別の解説ページもあわせてご覧ください。
こんなお悩みを抱えていませんか?
- 朝どうしても起きられず、学校や仕事に間に合わない
- 立ち上がると動悸がして、しばらく動けない
- 一日中だるく、頭痛も続いている
- 病院の薬を飲んでいるが、思うように良くならない
今回はPOTS(体位性頻脈症候群)と診断された10代の男子高校生が漢方を続けて8ヶ月で治療を終了(卒業)された症例をご紹介します。
ご相談時の状態
10代後半の男性(高校生)。はじめは起立性調節障害と診断されていましたが、その後の検査でPOTS(体位性頻脈症候群)と診断されました。
ご相談時の主な症状は次のとおりです。
- 立ち上がったときの強い動悸
- 朝どうしても起きられない
- 一日を通しての強い倦怠感
- 頭痛
病院ではミドドリン(血圧を上げる薬)を服用中でしたが朝のつらさと倦怠感が十分に取りきれず、薬以外にもできることはないかと伊丹市の当店へご来店くださいました。
東洋医学的な見立てと体質の判断
お体を拝見して特に目立ったのがむくみの強さでした。ここから水滞(すいたい)+気虚(ききょ)と判断しました。
水滞(すいたい)とは
水滞とは体の中の水分がうまくめぐらず、必要な場所に届かないまま余分なところに溜まっている状態です。
「水分が足りない」のではなく「水はあるのに巡っていない」ため、飲めば飲むほどむくみが増え、かえって体が重くなり、めまいや頭痛につながることがあります。
気虚(ききょ)とは
気虚とは体を動かすエネルギーが不足している状態です。血液を上へ押し上げる力が弱いため、立ち上がったときに脳へ十分に血が届かず、動悸で補おうとします。朝起きられない・一日中だるいのも、この力不足が背景にあります。
ご提案した漢方の方向性
薬方の柱は次の2つです。
- 滞った水をさばいて、めぐりを整える
- 不足している気を補い、血を上へ届ける力を高める
体質に合わせて漢方を調合し、経過を見ながら内容を調整しました。最初は病院のお薬(ミドドリン)とは併用していただき、西洋薬の増減については必ず主治医の先生とご相談いただくようお伝えしています。
もっとも大切だった養生|水分を摂りすぎないこと
起立性調節障害やPOTSでは「水分と塩分をしっかり摂りましょう」と指導されることが多く、実際にそれが有効な方もいます。
ただし今回の患者さんのように水が巡っていないタイプの場合、水分を増やすほど体が重くなりかえって症状が長引くことがあります。そこで今回は水分の摂りすぎに気をつけていただくようご指導しました。
同じ病名でも体質によって水分の摂り方は変わります。詳しくは起立性調節障害の水分・塩分の取り方|ポカリ・サウナはOK?もご覧ください。
治療経過
1〜2ヶ月目
まずむくみが軽くなってきました。
それに伴い朝の体の重さが少しずつ和らぎ、起きられる日が出てきました。
4ヶ月目
立ち上がったときの動悸の回数が減少。
頭痛の頻度も減り、遅刻せずに登校できる日が増えてきました。
6ヶ月目
日中の倦怠感が大きく改善。
体調の波はあるものの、学校生活に支障が出ない状態が続くようになりました。
8ヶ月目
動悸・朝のつらさ・倦怠感・頭痛のいずれも安定したため、漢方を減らしながら治療を終了(卒業)されました。
患者さんの声

朝がしんどくて学校に行けない日が続いて正直このまま治らないのかなと思っていました。
漢方を飲み始めてむくみが取れてきたころから朝の体の重さが変わってきたのを覚えています。
今は普通に登校できて部活にも出られるようになりました。
今回の金額の目安
1日あたり960円(税込)
※体質や症状により処方内容が変わります。ご予算に応じた調整も可能です。無理なく続けられるようご提案します。
ご家庭で取り組まれたこと
- のどが渇いたときに飲む(時間を決めて大量に飲まない)
- 起き上がるときは、ゆっくり段階を踏んで立つ
- 寝る時間を一定にして、夜更かしを避ける
- 湯船に浸かって血のめぐりを助ける
- 体調の良い日に軽く体を動かす
よくあるご質問
- QPOTSは漢方でどれくらいの期間で改善しましたか?
- A
この患者さんは1〜2ヶ月目にむくみが軽くなって朝起きられる日が出はじめ、4ヶ月目に動悸と頭痛が減り、6ヶ月目には日中の倦怠感が大きく改善しました。8ヶ月目に漢方を減らしながら治療を終えられています。
- QPOTSでは水分と塩分をしっかり摂るべきですか?
- A
体質によります。この患者さんのように水が巡っていないタイプでは、水分を増やすほど体が重くなり症状が長引くことがあります。水分の摂りすぎに気をつけていただいたことが、今回の転機になりました。
- Qミドドリンを飲みながら漢方を始められますか?
- A
はい。この患者さんも最初は病院のお薬とは併用しながら漢方を始めました。西洋薬の増減については必ず主治医の先生とご相談いただくようお伝えしています。
- Q起立性調節障害と診断されていましたが、POTSとは違うのですか?
- A
この患者さんもはじめは起立性調節障害と診断され、その後の検査でPOTSと診断されました。立ち上がったときに不調が出る点は共通しており、漢方では診断名ではなく体質から見立てていきます。
- Q学校に通えるようになりますか?
- A
この患者さんは4ヶ月目に遅刻せず登校できる日が増え、6ヶ月目には学校生活に支障が出ない状態が続くようになりました。現在は部活動にも参加されています。
- Q費用はどれくらいかかりましたか?
- A
この患者さんの場合は1日あたり960円(税込)でした。体質や症状により処方内容が変わりますので、ご予算に応じた調整もご相談いただけます。
同じ悩みを持つ方へ
POTSや起立性調節障害は怠けていると誤解されやすいのがいちばんつらいところです。ご本人にとっては本当に体が動かない状態です。
今回の症例のように、体質に合わせて整えることで学校生活に戻れるケースは少なくありません。とくに水分をしっかり摂っているのに良くならないという方は体質の見立てを変えると変化が出ることがあります。
お一人おひとり体質が異なるため、必ずご相談の上で漢方をお選びください。伊丹市の店頭のほか、お電話・オンラインで全国からのご相談に対応しています。