過敏性腸症候群(IBS)
過敏性大腸炎とも言われ、日本人の10%以上が悩んでいると言われています。
検査では特に異常が無いのに便秘をしたり下痢をしたり、緊張でお腹が痛くなるなど日常生活に影響が出てしまう病気です。
これが腸ではなく胃になると機能性ディスペプシアという病気と診断されることもあり、両方の症状がある方も多いです。
過敏性腸症候群(IBS)の診断基準
ローマⅣ基準
週に1回以上の腹痛が3ヶ月以上続き、
- 排便によって腹痛が楽になる
- 排便の回数が増えたり減ったりする
- 便の形状が硬かったり柔らかかったりする
これらから2つ以上あてはまると過敏性腸症候群の可能性が高いです。
原因
原因ははっきりわかっていません。ウイルスや細菌感染の後遺症であったり腸内細菌の変化、ストレスや生活習慣が関係していると言われています。
漢方では原因を大きく2つに分けます。
五志の異常
ストレスなどから腸の運動をコントロールしている自律神経が乱れたり、粘膜が過敏になって腸の働きに異常が出ているタイプ。
このタイプの方は緊張したり、プレッシャーがかかるとお腹が痛くなったり下痢したりします。
パニック障害に似た部分もあり、電車や高速道路など長時間トイレがないところや人前などでお腹が痛くなってしまわないかという予期不安が起こり、さらにお腹が痛くなりやすくなるということがあります。
胃熱・水毒・脾虚など
冷たいものや甘いものの摂り過ぎ、暴飲暴食などで胃腸が弱ってしまっているタイプ。
このタイプの方は食後にお腹が張って痛くなったり、クーラーなどでお腹が冷えると痛くなったりします。
治療
それぞれのタイプに合った治療をしていきます。
漢方で五志(自律神経や精神活動)を調えることによって腸のコントロールが上手くいくようになります。
お腹を気にし過ぎてしまう傾向も和らぐので電車や人前でも不安にならなくなります。
胃熱・水毒・脾虚などの場合、内臓に熱がこもっている場合は熱を冷ます漢方薬を、冷えている場合は身体を温める漢方薬をというふうに状態に合わせて細かく漢方薬を調節します。
過敏性腸症候群は漢方治療で改善します
過敏性腸症候群でお悩みの方はぜひ漢方薬に頼ってみてください。もう慣れてしまっている人もいるかもしれませんが、制限された生活から解放されましょう。