鬱(うつ病)とは?|現代人に増える「心の風邪」
「何もやる気が出ない」「朝がつらい」「外に出たくない」「寝ても疲れが取れない」
こうした状態が続く場合、うつ病(気分障害)の可能性があります。
近年はストレス社会の影響から、軽度~中等度のうつ症状を抱える方が急増しています。
主な症状:
- 気分の落ち込み、涙もろさ
- 無気力、集中力の低下
- 睡眠障害(寝つけない、途中で目が覚める)
- 食欲不振または過食
- 倦怠感、頭痛、肩こりなどの身体症状
漢方からみた「鬱」のとらえ方
漢方では、うつ症状を「気の滞り(気滞)」や「気血の不足(気血両虚)」「水毒」ととらえ、心と体のつながりを重視した体質改善を行います。
- 肝:感情の調整を司る(怒りや不安に関係)
- 脾:心身のエネルギー源
- 心:精神や意識の安定をつかさどる
体力のない状態で心のエネルギーも不足していると、回復力が働きません。
心と体の両方にアプローチできるのが漢方治療の大きな特長です。
症例紹介|兵庫県尼崎市在住・40代女性(N.Yさん)
ご相談内容
2年ほど前から、家事や仕事が手につかず、疲れが取れない日々が続いていたとのこと。
精神科で鬱と診断され、抗うつ薬を処方されたが、副作用の頭痛や眠気に悩まされていたそうです。
ご家族の勧めで、「体質から立て直したい」と漢方相談に来られました。
主な症状
- 朝起き上がれず、布団から出るのに1時間以上かかる
- 些細なことで涙が出る
- 夜中に何度も目が覚め、寝ても疲れが取れない
- 食欲低下、動悸、のぼせ、不安感
- 自己否定感が強く、「こんな自分じゃダメだ」と責めてしまう
治療経過|ゆっくり、でも確実に変わっていった6ヶ月
▶1ヶ月目
- 「気分の波があるが、少し落ち着く日も出てきた」
- 寝つきが改善、途中覚醒はあるが再入眠しやすくなる
- 朝の頭痛が減り、1日を少しずつ過ごせるように
▶2〜3ヶ月目
- 起床が30分以内にできる日が週に3~4日
- 涙もろさや不安感がやや軽減
- 外出の機会が増え、「日差しが気持ちいいと感じるようになった」
- 食事の量も増え、消化不良や胃の不快感がなくなる
▶4〜5ヶ月目
- 睡眠が安定。夜中に起きる回数が減少
- 「今日これをしよう」という気持ちが出てくる
- ご家族との会話も増え、笑顔が戻る
▶6ヶ月目
- 「自分を責める気持ち」がかなり減る
- 家事を自分のペースでできるようになり、外出も自然に
- ご本人の言葉:「やっと“普通の私”に戻れた気がします」
患者さんの声

「以前は毎日がつらくて、死んでしまいたいとさえ思っていました。
でも、漢方相談であなたが弱いわけじゃないと認めてもらえたことで、涙が出ました。
徐々に心と体が一緒に回復していくのを感じられて、本当に救われました。
今はまた笑える日が来るんだと思えるようになっています。」
よくあるご質問(FAQ)
- Q精神科の薬と併用できますか?
- A
はい、併用可能です。服用中のお薬がある場合は、漢方の専門家が相互作用を考慮し、安全に処方します。多くの方が併用からスタートし、徐々に漢方のみで安定されます。
- Q効果が出るまでどのくらいかかりますか?
- A
体質や状態によりますが、1〜2ヶ月で「少し気持ちが落ち着いた」「夜眠れるようになった」と感じる方が多く、3〜6ヶ月の継続で安定することが多いです。
- Q職場や家族に相談できず悩んでいます…
- A
無理に周囲に話す必要はありません。薬鍼堂では、プライバシーに配慮し、じっくりお話をうかがいます。
まずはご自身の心と体を整えることが第一です。
- Qどんな人に漢方が向いていますか?
- A
次のような方におすすめです:
- 長引く気分の落ち込みや不眠がある
- 薬の副作用がつらい、もしくは薬を増やしたくない
- 頭痛・肩こり・胃腸の不調など体にも症状が出ている
- 体質から回復力を取り戻したい
漢方治療のメリット
- 精神的な不調と身体症状の両方を同時に整える
- 眠気・だるさなどの副作用が少ない
- 無理なく長期的に続けやすい
- 心身のバランスを整えることで、「自分らしさ」を取り戻せる
まとめ|「うつ病=心の問題」ではありません
うつ症状は、心の問題だけでなく、体の不調からくる「気の巡りの乱れ」でもあります。
だからこそ、体質を整え、根本的に回復力を高めることが大切です。
薬鍼堂では、ただ薬を出すのではなく、
「あなた自身の力を取り戻す」サポートを大切にしています。
「変わりたい」「今のままではつらい」
そう感じたときが、一歩を踏み出すチャンスです。
どうぞお気軽にご相談ください。