帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、免疫力が低下したときに発症しやすい病気で、特に50歳以上の方に多く見られます。ストレスや疲労が引き金となることもあり、若い方でも発症する可能性があります。
最初は、身体の一部にチクチクと刺すような痛みが現れ、その後、小さな赤い湿疹や水ぶくれが帯状に広がります。これが破れてかさぶたになり、最終的に治癒しますが、一部の人には強い痛みが残ることがあります。
帯状疱疹は、胸やお腹によく見られますが、顔、頭、足など全身のどこにでも発症する可能性があります。特に、頭に出た場合は頭痛、腰や足に出た場合は坐骨神経痛と誤診されることもあります。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)の再活性化によって発症します。過去にみずぼうそうにかかったことがある人であれば、誰でも発症の可能性があります。
- 水痘・帯状疱疹ウイルスに感染
- みずぼうそうとして発症
- みずぼうそうが治る
- ウイルスが体内に潜伏
- 免疫力が低下すると再び活動を始める
- 帯状疱疹として発症
帯状疱疹後神経痛とは?
帯状疱疹の皮膚症状は、抗ウイルス薬の使用により3週間から1か月程度で治まります。しかし、約10%の患者は見た目には治っていても、痛みが残ることがあります。これは、ウイルスが神経を損傷したために起こり、人によっては数年間痛みが続くこともあります。
痛みが3か月以上持続すると「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と診断され、抗ウイルス薬は効果を示しません。通常の鎮痛剤やブロック注射といった対症療法が中心となりますが、完治が難しい場合が多いのが現状です。
漢方での治療法
漢方では、帯状疱疹後神経痛を「痛み・しびれ」の一種と考え、主に「水毒」「瘀血」「痺証」の影響として治療します。
特に、帯状疱疹後神経痛は「瘀血(おけつ)」による痛みであることが多く、以下のような特徴があります。
- チクチクと刺すような痛み
- 冷えや血流の悪化で痛みが増す
- 夜間に痛みが悪化しやすい
- お酒を飲むと症状が悪化
漢方では「駆瘀血剤(くおけつざい)」を使用して血流を改善し、症状を緩和します。適切な治療を行うことで、漢方薬をやめても痛みが再発しにくくなります。
帯状疱疹後神経痛によく使われる漢方薬
- 桂枝加朮湯(けいしかじゅつとう):神経痛の緩和と血流改善
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):冷えによる痛みを和らげる
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう):血の巡りを改善し、痛みを軽減
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):炎症を鎮め、神経痛を緩和
- 八味地黄丸(はちみじおうがん):高齢者の神経痛に効果的
症例紹介
症例1:70代女性
帯状疱疹後の強い神経痛に悩んでいました。桂枝加芍薬湯と疎経活血湯を併用し、3カ月後には痛みが軽減し、睡眠の質も向上しました。
症例2:60代男性
帯状疱疹発症後、半年以上続く痛みがあり、鎮痛剤の効果が薄れてきたため漢方治療を開始。当帰四逆加呉茱萸生姜湯と柴胡桂枝湯を処方し、2カ月後には痛みが大幅に軽減しました。
患者さんの声
70代女性 「長年の痛みが和らぎ、夜もぐっすり眠れるようになりました。」
60代男性 「鎮痛剤では改善しなかった痛みが、漢方で少しずつ楽になりました。」
帯状疱疹後神経痛には漢方が有効
帯状疱疹後神経痛は長期間続くことが多いですが、漢方で血流や神経の働きを改善することで、痛みの軽減が期待できます。特に、慢性的な痛みに対しては、西洋医学と併用することでより高い効果を発揮します。
薬鍼堂では、一人ひとりの症状や体質に合わせた漢方治療を提供しております。帯状疱疹後神経痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。