脳脊髄液減少症と漢方治療
脳脊髄液減少症とは?
脳脊髄液減少症は、脳や脊髄を保護する役割を持つ脳脊髄液が減少することで、様々な症状を引き起こす病気です。頭痛、めまい、倦怠感、視力低下、耳鳴り、集中力の低下などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。
この病気は、交通事故や転倒などの外傷によって髄液が漏れることで発症することが多いですが、原因がはっきりしないケースもあります。脳脊髄液が少なくなることで脳が下がり、神経に影響を及ぼすため、症状が慢性的に続くことが特徴です。
脳脊髄液減少症の主な症状
- 慢性的な頭痛
- めまい、ふらつき
- 倦怠感、疲労感
- 視力低下、かすみ目
- 耳鳴り、難聴
- 集中力や記憶力の低下
- 自律神経の乱れ(動悸、冷え、発汗異常)
- 起立時の症状悪化
脳脊髄液減少症になりやすいタイプ
脳脊髄液減少症は、以下のような方に発症しやすい傾向があります。
- 交通事故や転倒などの外傷歴がある
- 長時間のデスクワークや不良姿勢が多い
- 体質的に水分代謝が悪い
- 自律神経のバランスが乱れやすい
脳脊髄液減少症の漢方治療
西洋医学では、ブラッドパッチ療法(自分の血液を脊髄周囲に注入して髄液漏れを防ぐ治療)が一般的ですが、症状の改善には時間がかかることが多く、再発することもあります。
漢方では、体質を整え、脳脊髄液の循環を促進することで症状を改善していきます。漢方治療では、「標本同治(ひょうほんどうち)」という考え方を用い、症状(標)とその原因となる体の状態(本)の両方にアプローチします。
薬鍼堂では、脳脊髄液減少症の患者様に対し、個々の症状や体質に漢方薬を合わせ、自然な形で改善へと導きます。
脳脊髄液減少症によく使われる漢方薬
- 五苓散(ごれいさん):水分代謝を整え、脳脊髄液の循環を促す
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃腸を整え、水分の循環を改善
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいやふらつきを軽減
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血流を改善し、頭痛を緩和
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):冷えを改善
症例紹介
症例1:30代女性
交通事故後に慢性的な頭痛と倦怠感が続き、病院では「脳脊髄液減少症」と診断されました。ブラッドパッチ療法を受けたものの、症状が完全には改善せず、漢方治療を開始。水の流れを良くする漢方薬と冷えを改善する漢方薬を併用し、3カ月後には頭痛が軽減し、倦怠感も和らぎました。
症例2:40代男性
デスクワークが多く、長時間の同じ姿勢によるめまいや耳鳴りを訴えていました。漢方治療として血を増やす漢方薬と自律神経を整える漢方薬で、2カ月後にはめまいの頻度が減少し、耳鳴りも改善しました。
患者様の声
40代女性 「長年の頭痛が和らぎ、日常生活が楽になりました。薬を飲むだけでなく、体質を改善できるのが魅力です。」
30代男性 「めまいと倦怠感が改善し、仕事に集中できるようになりました。漢方の力を実感しています。」
脳脊髄液減少症は治る病気
脳脊髄液減少症は、西洋医学の治療と並行して漢方治療を取り入れることで、より早く回復できる可能性があります。体質改善を通じて根本的な原因にアプローチし、再発を防ぐことが重要です。
薬鍼堂では、豊富な治療実績をもとに、一人ひとりの症状や体質に合わせた漢方治療を行っています。脳脊髄液減少症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。