強迫性障害(OCD)と漢方治療
強迫性障害(OCD)とは?
強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)は、「不安を引き起こす考え(強迫観念)」と「それを打ち消すための行動(強迫行為)」が繰り返される精神疾患です。日常生活に大きな影響を与え、放置すると悪化することがあります。
強迫性障害の代表的な症状には以下のようなものがあります。
- 確認強迫:鍵やガスを何度も確認する
- 洗浄強迫:過剰な手洗いや清潔へのこだわり
- 加害恐怖:自分が他人を傷つけてしまうのではないかという不安
- 数字や順番へのこだわり
- 不要な物を捨てられない(溜め込み症)
強迫性障害と漢方治療
強迫性障害は、西洋医学ではSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や認知行動療法が用いられますが、漢方治療では心身のバランスを整え、症状を根本から改善することを目指します。
漢方では、強迫性障害を「気の巡りの滞り」や「脳の過剰な興奮」と捉え、体質改善を行うことで症状の軽減を図ります。
強迫性障害によく使われる漢方薬
- 抑肝散(よくかんさん):イライラや神経の高ぶりを抑える
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスや不安を軽減
- 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):緊張を和らげ、落ち着きを取り戻す
- 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):過剰な不安を抑え、リラックスを促す
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):のどの詰まり感や不安を軽減
症例紹介
症例1:30代男性
仕事のストレスが原因で強迫観念が悪化。何度も確認行動を繰り返してしまう状態が続いていました。抑肝散と桂枝加竜骨牡蠣湯を処方し、2カ月で確認行動の頻度が減少。6カ月後には日常生活が安定しました。
症例2:40代女性
清潔強迫があり、1日に何度も手を洗う習慣がやめられず、手荒れがひどくなっていました。加味逍遙散と半夏厚朴湯を併用し、3カ月で手洗いの頻度が減少。半年後には落ち着きを取り戻しました。
患者様の声
30代男性 「確認行動が減り、生活が楽になりました。漢方を続けることで気持ちが落ち着きました。」
40代女性 「手洗いがやめられなかったのですが、漢方で不安が和らぎ、少しずつ改善しました。」
強迫性障害は治る病気
強迫性障害は、適切な治療を受けることで改善できます。特に漢方治療は、脳と自律神経のバランスを整え、再発を防ぐ効果も期待できます。
薬鍼堂では、一人ひとりの体質や症状に合わせた漢方治療を行っております。強迫性障害でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。