過敏性腸症候群(IBS)と漢方治療
過敏性腸症候群(IBS)とは?
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、腸に炎症や異常がないにもかかわらず、慢性的な腹痛、下痢、便秘、膨満感などの症状を引き起こす機能性胃腸障害です。ストレスや生活習慣が大きく影響し、症状が悪化・改善を繰り返すことが特徴です。
IBSには以下のタイプがあります。
- 下痢型(IBS-D):急な腹痛とともに頻繁に下痢が起こる
- 便秘型(IBS-C):お腹の張りや便秘が続く
- 混合型(IBS-M):下痢と便秘を交互に繰り返す
- 分類不能型(IBS-U):明確な分類が難しいケース
過敏性腸症候群の主な症状
- 慢性的な腹痛や腹部の不快感
- 下痢、便秘、またはその両方
- 腸内ガスによる膨満感
- 排便後のスッキリしない感じ
- ストレスや食事による症状の悪化
- 便の性状の変化
過敏性腸症候群になりやすいタイプ
IBSは特定の体質や生活習慣と関係が深く、以下のような方に多く見られます。
- ストレスを感じやすい
- 自律神経が乱れやすい
- 食生活が不規則
- 冷えやすい体質
- 胃腸がもともと弱い
過敏性腸症候群の漢方治療
西洋医学では、下痢や便秘を抑える薬や抗不安薬が処方されることが一般的ですが、根本的な改善には至らないことが多いです。
漢方では、IBSを「脾胃の不調」や「気滞(きたい)」の影響と捉え、体質を整えながら症状を和らげる治療を行います。薬鍼堂では、個々の症状や体質に応じた漢方薬を処方し、自然な形で腸の調子を整えていきます。
過敏性腸症候群によく使われる漢方薬
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):ストレスで腸の粘膜が過敏になっている場合
- 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):自律神経の乱れによって腸の働きに異常が出ている場合
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):食生活による胃腸の不調に
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く食欲が落ちる場合
- 通導散(つうどうさん):便秘が続く場合
症例紹介
症例1:30代女性
仕事のストレスでIBSを発症し、通勤中に急な腹痛と下痢が頻発。自律神経を整える漢方薬を処方し、1カ月で腹痛の頻度が減少。3カ月後には通勤中の不安感が軽減され、普通に生活できるようになりました。
症例2:40代男性
長年の便秘と腹部膨満感に悩まされており、便秘型IBSと診断。血流を良くする漢方薬を併用し、2カ月で便通が安定し、膨満感も改善しました。
患者様の声
30代女性 「ストレスでお腹の調子が悪くなるのが悩みでしたが、漢方を続けることで改善されました。」
40代男性 「便秘が改善され、お腹の張りもなくなりました。食事のアドバイスも役に立ちました。」
過敏性腸症候群は治る病気
IBSは長期間にわたり症状が続くことが多いですが、適切な治療を受ければ改善が期待できます。特に、漢方治療は根本的な体質改善を目的とし、再発を防ぐ効果もあります。
薬鍼堂では、一人ひとりの症状や体質に合わせた漢方治療を行っています。過敏性腸症候群でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。