心臓弁膜症と漢方

弁膜症と漢方

心臓弁膜症と漢方治療

心臓弁膜症とは?

心臓弁膜症は、心臓の弁が正常に機能しなくなる病気です。弁の開閉がスムーズに行われないことで、血液の流れが妨げられ、心臓に負担がかかります。主な種類には、僧帽弁狭窄症、僧帽弁逆流症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁逆流症などがあります。

心臓弁膜症は加齢や高血圧、感染症などが原因となり、放置すると心不全のリスクが高まるため、早期の対策が重要です。

心臓弁膜症の主な症状

  • 息切れや呼吸困難
  • 起座呼吸(仰向けになると苦しくて上体を起こしてしまう)
  • 夜間発作性呼吸困難(夜中に突然苦しくなる)
  • 心臓喘息(ゼェーゼェーと喘息のように苦しくなる)
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 疲れやすさ
  • めまい、失神
  • 足のむくみ

心臓弁膜症と漢方の考え方

西洋医学では、症状が進行した場合は手術や投薬治療が行われます。心臓弁膜症は弁膜の位置と、閉鎖不全、弁口狭窄の差によっていくつかの種類に分けられますが、漢方の治療にあたってはこれらの違いによって治療方針を決めるのではなく、その患者さんの愁訴や腹証、脈証などによって薬方を選定します。

漢方では、心臓弁膜症を「気虚(ききょ)」「瘀血(おけつ)」「水毒(すいどく)」の影響と考え、体質改善を図ることで心臓の機能をサポートします。

  • 気虚(ききょ):心臓のエネルギー不足により疲れやすくなる
  • 瘀血(おけつ):血液の流れが悪くなり、胸の痛みや息切れを引き起こす
  • 水毒(すいどく):余分な水分がたまり、むくみや息苦しさの原因に

心臓弁膜症によく使われる漢方薬

  • 炙甘草湯(しゃかんぞうとう):心臓の機能を高め、不整脈を改善
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):動悸や不安感を和らげる
  • 増損木防已湯(ぞうそんもくぼういとう):浮腫を改善し、心臓の負担を軽減
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいや息切れを緩和
  • 茯苓杏仁甘草湯(ぶくりょうきょうにんかんぞうとう):水の流れを良くして、胸の苦しさを軽減

症例紹介

症例1:60代男性

軽度の僧帽弁閉鎖不全症と診断され、息切れと疲れやすさに悩んでいました。心臓の負担を軽減し、自律神経を整える漢方薬で、5カ月後には息切れが軽減し、体力も回復しました。

症例2:70代女性

胸の圧迫感と動悸が強く、病院で大動脈弁狭窄症と診断されたため、心臓の機能を高める漢方薬と血流を良くする漢方薬で治療。8カ月で動悸の頻度が減り、症状が安定しました。

患者様の声

60代男性
「手術を勧められていましたが、漢方で症状が改善し、元気に過ごせるようになりました。」

70代女性
「漢方を続けることで、心臓の負担が軽くなり、生活が楽になりました。」

心臓弁膜症の改善には漢方が有効

心臓弁膜症は進行すると手術が必要になる場合がありますが、初期段階では漢方による体質改善で症状の進行を抑えることが可能です。特に、血流や心臓の機能をサポートする漢方薬は、日常生活の質を向上させる助けになります。

薬鍼堂では、一人ひとりの症状や体質に合わせた漢方治療を提供しております。心臓弁膜症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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