線維筋痛症と漢方治療

線維筋痛症とは?

線維筋痛症(Fibromyalgia)は、全身の広範囲にわたる慢性的な痛みやこわばりを特徴とする疾患です。原因が明確ではなく、検査でも異常が見つかりにくいため、診断までに時間がかかることが多いです。

代表的な症状は以下の通りです。

  • 広範囲の痛み:筋肉や関節に広がる持続的な痛みが特徴で、軽い刺激でも強い痛みを感じることがあります。
  • 疲労感:慢性的な倦怠感やエネルギー不足が続き、日常生活に支障をきたすことが多いです。
  • 睡眠障害:熟睡できず、朝起きたときに疲労が残っていることが多いです。
  • 集中力の低下(ブレインフォグ):思考力や記憶力が低下し、仕事や学習に影響を及ぼします。
  • 気分の落ち込みや不安感:痛みや不眠が続くことで精神的ストレスが増し、うつ症状を伴うことがあります。
  • 過敏性腸症候群(IBS):腹痛や下痢、便秘などの消化器系の不調を伴うことがあります。

線維筋痛症と漢方治療

西洋医学では鎮痛薬や抗うつ薬、抗けいれん薬が処方されることが多いですが、漢方では「気・血・水」のバランスを整えることで根本から治していきます。

漢方では、線維筋痛症を「瘀血(おけつ)」や「気滞(きたい)」「水毒(すいどく)」によるものと考え、自律神経を整えて、体質改善を通じて治療していきます。

線維筋痛症によく使われる漢方薬

  • 桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう):体を温め、血流を改善することで痛みを取り除く効果があります。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血流を促進し、筋肉のこわばりや冷えを改善します。特に女性のホルモンバランスの乱れによる痛みに有効です。
  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):ストレスや不安を軽減し、自律神経のバランスを整えます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):自律神経とホルモンバランスを調整し、ストレスによる症状の悪化を防ぎます。
  • 疎経活血湯(そけいかっけつとう):血流を改善し、関節や筋肉の痛みを和らげる効果があります。

症例紹介

症例1:50代女性

慢性的な痛みと疲労感に悩んでおり、特に朝起きたときのこわばりがひどい状態でした。体を温める漢方薬と自律神経を整える漢方薬で、3カ月で痛みが軽減。半年後には日常生活が快適に送れるようになりました。

症例2:40代男性

仕事のストレスが影響し、強い筋肉のこわばりと不眠が続いていました。自律神経を整える漢方薬で、2カ月で睡眠の質が向上し、痛みも緩和されました。

症例3:60代女性

長年の線維筋痛症で歩行が困難になっていました。血流を良くする漢方薬で徐々に痛みが和らぎ、1年後には外出ができるようになりました。

患者さんの声

50代女性 「朝のこわばりが楽になり、動きやすくなりました。漢方で体質が変わったと実感しています。」

40代男性 「長年の痛みが和らぎ、睡眠も改善しました。もっと早く漢方を試せばよかったです。」

60代女性 「歩くのも辛かったですが、漢方を続けたおかげで外出ができるようになりました。」

漢方で体質改善を

線維筋痛症は、症状が長引きやすいですが、適切な治療を行うことで改善が期待できます。漢方は、根本から体質を整え、痛みを和らげる効果が期待できます。

薬鍼堂では、一人ひとりの体質や症状に合わせた漢方治療を行っております。線維筋痛症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。