喘息
発作性の咳や喘鳴(呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューという音)がしたり、気管や気管支が急につまって息苦しくなり呼吸困難になることもあります。
慢性的な炎症が気道に起こり気道の過敏性が亢進することがその原因と考えられています。
アレルギー源の吸入、運動、感染、ストレスなどが喘息発作の引き金になります。気管支喘息はアレルギーのあるものとないものに大別されます。
治療にあたっては発作がどのような状態で起こるか、腹証がどのような状態であるかということを注意深く観察することにより方針が決まります。また、非発作時は体質改善に重点を置いて治療する必要があります。
よく使う漢方薬
- 小青竜湯
- 麻杏甘石湯
- 麦門冬湯
- 柴朴湯
- 大柴胡湯合半夏厚朴湯
- 苓甘姜味辛夏仁湯
- 四君子湯
- 人参湯
- 麻黄細辛附子湯
気管支炎
気管支炎では咳が共通の症状でその他に痰、胸痛、呼吸困難を訴えることもあり急性期では熱の出ることもあります。
この症状は肺炎でもみられ気管支炎と症状だけから区別することは難しく、肺炎の炎症は主に気管支よりも奥の肺胞で起こるので胸部X線像で陰影が認められます。
肺炎の場合には炎症が気管支にも及ぶことが多いので胸部X線検査が区別のために必要になります。
このような咳、痰が2年以上経過し、しかも1年に3ヶ月以上続く場合は慢性気管支炎と診断されます。
よく使う漢方薬
- 麻黄湯
- 小柴胡湯
- 柴陥湯
- 小青竜湯
- 麻杏甘石湯
- 苓甘姜味辛夏仁湯
- 栝楼枳実湯
- 麦門冬湯
- 滋陰降下湯
- 清肺湯
- 半夏厚朴湯
- 麻黄細辛附子湯
インフルエンザ
インフルエンザはウイルスによって起こり、その流行や個人の体質により症状は様々でで普通の風邪とあまり変わらない程度のものから重篤な症状を呈するものまでいろいろあります。
定型的なものは3、4日の潜伏期ののちに突然悪寒とともに高熱が出て、はげしい頭痛を訴え手足の関節、腰などにはげしい痛みがきます。
それとともに食欲がなくなり嘔吐や口渇を訴えるものもあります。
また結膜が充血したり、のどが痛んだり、咳が出たりします。
咳は多くは乾咳で、胸や腹が痛むこともあります。
熱ははじめ38℃から40℃に上がり、この熱は2、3日で一旦は37℃台に下がるが3、4日後には前記のような症状とともに再び40℃内外の熱が出て多くは5日から7日後には下熱します。
重症になると気管支炎から気管支肺炎となり、ときには意識が混濁してうわごとをいい昏睡状態となり、脳膜炎のような症状を呈するものもあります。
インフルエンザには主として呼吸器を侵すものと消化器を侵すものとあり、消化器が侵されると悪心、嘔吐、下痢、腹痛を起こし粘血便を下すこともあります。
よく使う漢方薬
- 麻黄湯
- 葛根湯
- 柴葛解肌湯
- 大青竜湯
- 白虎加人参湯
- 麻黄附子細辛湯
- 柴胡桂枝湯
- 小柴胡湯
- 柴陥湯
- 竹茹温胆湯
- 麦門冬湯
- 真武湯
- 四逆湯